モンパルナス思慕に、息もできない
- marquis81
- 2017年5月12日
- 読了時間: 2分
パリでもっとも居心地の良い場所は?と自分に問えば、今は迷わずモンパルナスを挙げる。
通学途上、モンパルナス墓地を突っ切り、ラスパイユ通りに入り、ロトンドのFormule Expressをテラスで取って時間調整した。
エスプレッソのことをCafé Expressと、少なくともこのお店では掲示している。
Formule Expressは、「エスプレッソ・セット」のような意味である。
尤も、エスプレッソの語源諸説の一つに抽出時間が短い(速い)からというものがある。
素早く出せる「高速定食」の意味も兼ねているのかもしれない。
モジリアニやピカソが通った説明不要の有名店La RotondeのFormule Express、5ユーロである。

ヌーヴェル・ヴァーグの中でも最もヌーヴェル・ヴァーグらしい、ヌーヴェル・ヴァーグの象徴『勝手にしやがれ』。
原題はÀ bout de souffle、英題ではBreathless。
パトリシア(ジーン・セバーグ)がカフェの電話から警察に密告したミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)の居場所は、「カンパーニュ通り11番地」。
ロトンドもこの映画に登場するが、ここから300mほど南に行ったラスパイユ通りとカンパーニュ通りの交差点が、ラストのミシェルが死ぬ場所である。
そして、この交差点はアメリカ人女優ジーン・セバーグを「永遠に」呼び寄せることになった。
映画から20年後ルノーの中で自殺したジーン・セバーグは、ここに隣接しているモンパルナス墓地に眠っている。
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