これからのフランス、これからの世界
- marquis81
- 2017年5月9日
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新大統領はエマニュエル・マクロンに決まった。
グローバリズムが抱える本質的な矛盾・・・その時に最も安く作れるところで作り、その時に最も安い手段で運送すればいい、というやり方では自国の労働者を苦しめる、そうした資本主義の冷酷な面に対する反発は当然予測されていたことでもあるのに、何も手当されようとしていない、そこへリージョナリズムの自国利益優先性から大衆の切実な生活と保守層のアンシャン・レジーム回帰待望を極右勢力が巻き込む余地となる。
今回のフランス大統領選挙がアンチ・グローバリズムの防波堤になるとは、とても思えない。
グローバリズムの本質的で構造的な問題に何も道は示されていないのだから。
マリーヌ・ル・ペンは、反移民・反EUではなく、グローバリズムに焦点を絞るべきだったのではないかと思う。
中道というより、確たる信念があるように思えぬマクロンが、今回の選挙で汲み上げられずますます鬱積するであろう不満をどう処理するつもりなのか、フランスが抱える悩みに虚無感が加わり、むしろ高まり、冷戦後のコントロールの限界が萌芽しはじめている世界の流れの端緒のひとつにならぬことを祈りたい。
ブリグジットとトランプ当選の意味、富裕層と低所得者層というトップとボトムの欲求の結果と、「みんな仲良く」という綺麗ごとで思考停止しオシャレな生活を続けられると漠然と信じている、自分のことしか考えない利己的な若い中間層の対立・・・これまでの歴史に無かった構造を噛み砕いて広く知らしめる人がいないのではないか。
かつての市民運動や60年代の学生運動のわかりやすい構造とは、まったく違う。
後世から見ると、差し迫っている時期なのかもしれない。

「自由の女神」は、フランス・フリーメイソンリーからアメリカ・フリーメイソンリーに対して寄贈されたもの。
雌雄不明ということで、ジェンダー問題にデリケートな現在では正しくは「自由の像」と呼ぶべきそうだ。
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