束の間の美学生
- marquis81
- 2017年4月10日
- 読了時間: 3分
パリマラソンが終わって、束の間の美学生に戻った。
週が変わってスリムなモデルさんに替わり、新たなポーズとなった。
土曜日にセヌリエにキャンバスを買いに行った。
ロールのメートル売りしかしていないということで、1mだけ買った。
ホテルに帰ってベッドに拡げてみると、随分大きい。
Monoprixでメジャースケールを買ってきて測ってみると、112cm✕214cmあった。
セヌリエでは幅について何の説明も無かったので、フランスサイズのキャンバスロールの標準が214cm幅ということなのかもしれない。
フランスサイズと言われるが、尺貫法に調整してしまった日本の画号サイズが特殊なようだ。
こういうことは一気に直せばいいのに?とも思うが、額縁業界などの事情があるのだろうか。
習作甩なので、油彩に使えるもので一番安い12.5ユーロのものにしたが、これだけの大きさならケント紙ぐらいの値段ではないか。
F10を二枚作った。
せっかくのパリでのデッサンという貴重な機会なので大作をやりたいとも考えたが、他のみなさんに合わせた。
スケッチブックを忘れて行き、キャンバスに木炭で下書き。
新入りだからか、先生が僕を重点的に指導してくれる。
ベテランたちはかなり強調技法をしているが、自分の場合にはヴァーティカル・ホリゾンタル・スペース・アングル・レングスと、写実的に指摘され、直すとフレーミングに困り、一回り小さくしていく。
背中に先生の視線を浴び、嫌な汗を掻きながらの作業。
しかし結局、先生の指導に素直に従っていたら、だいぶ良くなった。
先日、ドラクロワ美術館に行った。
改装中で一部観ることができないために閑散としていて、ゆっくりできてむしろ良かった。

BGMに、ショパンのエチュード25-1『エオリアンハープ』が流れていた。
最近弾いていないので暗譜が抜けているが、一時は毎日弾いていた大好きな曲だ。
帰国したらまた譜読みしよう。
サンジェルマン・デ・プレ教会裏の小さな、しかし印象的なロン・ポワン。

映画"Sagan"で、フランソワーズ・サガンが愛人(女性)パオラに不平不満を言われる。
どうやら、マスコミに自分の存在を隠したいんでしょ、というのがパオラの主旨のようだ。
おまけに停めた筈の自分の車が無い。
レッカー移動されたんじゃない?
「みんな、私のことが嫌いなのね。」
「食事はやめて、飲みに(遊びに)行こう」とタクシーを拾い、モンパルナスのニュー・ジミーズを告げる。
パオラの顔がパーッと明るくなる。
人生全て作品。
実にサガンらしい展開である。
そのニュー・ジミーズで、二番目の夫となるアメリカ人ロバート・ウェストホフと知り合う。
写真向かって右手のアパルトマンのアントレをくぐり、中庭の奥がドラクロワの最後の自宅、そこが美術館になっている。
美術館が入っているアパルトマンの裏に戸建てのアトリエ・・・ドラクロワの仕事場があり、冒頭のマスターピースがある。
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